「MSスキーム」とは?その仕組み・メリット・危険性を解説
クレジットカード修行僧が知る「MSスキーム」とは?その仕組み・メリット・危険性を解説
クレジットカードのポイントやマイルを効率的に貯めたい、あるいは高額な年会費の元を取りたい。そんな「クレカ修行僧」と呼ばれる人々が利用することがある「MS(Manufactured Spending)」と呼ばれるテクニック。特に「Buying Group」を利用した手法は、一時期注目を集めました。
MS(Manufactured Spending)とは?
クレジットカードの入会キャンペーン(例:「〇ヶ月以内に△△万円利用で□□ポイント付与」)の達成 年間利用額に応じたボーナスポイントやステータスの獲得 ポイントやマイルの大量獲得
MSスキームの一種「Buying Group」とは?
業者(Buying Group運営者)が指定する商品を購入: ユーザーは、業者から指定された特定の商品(セール品や数量限定品が多い)を、小売店(Amazonなど)やオンラインショップで自分のクレジットカードを使って購入します。 業者指定の住所へ商品を発送: 購入した商品は、自分で受け取るのではなく、業者が指定する住所(倉庫など)へ直接発送します。 業者から代金を受け取る: 商品が無事に業者の元へ届き、検品されると、ユーザーは購入代金(場合によっては少額の手数料が上乗せされることも)を業者から小切手や銀行振込などで受け取ります。
Buying Groupを利用するメリット
クレジットカードの利用額を増やせる: 高額な利用条件のあるキャンペーンやステータス達成のハードルを下げることができます。 ポイント・マイルを効率的に獲得: 通常の買い物よりも短期間で大量のポイントやマイルを獲得できる可能性があります。高還元率のカードを使えば、代金回収時にわずかな利益が出る(または損失を最小限に抑えられる)ケースも理論上はあり得ます。
Buying Group(MSスキーム)のデメリット・リスク
業者の信頼性リスク(最重要): 支払い遅延・不払い: 最も大きなリスクです。業者が資金繰りに窮したり、悪意を持って運営していたりした場合、商品を送ったにもかかわらず代金が支払われない可能性があります。業者(Buying Group)の突然の閉鎖や破綻も報告されており、その場合、支払った代金はほぼ回収不可能になります。
クレジットカード会社からのペナルティ: 規約違反: 多くのクレジットカード会社は、現金化を目的とした利用や、このようなMS行為を規約で禁止しています。 強制退会・利用停止: MS行為が発覚した場合、カードの利用停止や強制退会処分を受ける可能性があります。貯めたポイントが失効するだけでなく、信用情報に傷がつく恐れもあります。 ポイント剥奪: 不正利用とみなされ、獲得したポイントが剥奪されるケースもあります。
小売店・オンラインショップからのペナルティ: アカウント停止: Amazonなどの大手小売業者は、転売目的や不審な購入(同一商品の大量購入、特定住所への頻繁な配送など)に対して厳しく、アカウントを停止(BAN)することがあります。一度BANされると、そのサービスを利用できなくなる可能性があります。 発送制限: 一部の小売業者は、Buying Groupが利用する倉庫など特定の住所への発送を制限している場合があります。
商品購入・発送に伴うトラブル: 価格変動・在庫切れ: 指定された商品を購入しようとした際に、価格が変動していたり、在庫が切れていたりするリスクがあります。 配送トラブル: 商品が配送中に紛失・破損した場合、責任の所在が曖昧になり、補償を受けられない可能性があります。
税務上の問題: もし代金回収時に購入額を上回る金額を受け取った場合、その差額は所得とみなされ、確定申告が必要になる場合があります。
時間と手間: 商品の選定、購入手続き、発送手配、トラッキング情報の連絡、入金確認など、一連の作業には相応の時間と手間がかかります。トラブル発生時にはさらに多くの労力を要します。