1688.comから直接仕入れることは出来るのか? もし出来るとしたら、どの様なリスクがあるのか?
原則として、日本の個人や企業が1688.comから「直接」商品を仕入れて日本に送ってもらうことは、非常に困難であり、現実的ではありません。
なぜ「直接」仕入れができないのか?
1. 決済の壁
支払いは中国国内の銀行口座からの振込や、中国版の電子決済サービス「**アリペイ(支付宝)」**が基本です。日本のクレジットカードや銀行口座、PayPalなどは使えません。
2. 発送の壁
ほとんどの出店者は、中国国内への発送にしか対応していません。国際発送の知識や手段を持っていないため、日本へ直接送ってはくれません。
3. 言語・コミュニケーションの壁
サイトの表記はもちろん、出店者とのやり取りは**すべて中国語(普通話)**です。価格交渉や在庫確認、不良品対応などをすべて中国語で行う必要があります。
1688.comから仕入れる際の主なリスク(代行業者利用が前提)
1. 品質・仕様に関するリスク
不良品率が高い: 日本の品質基準とは異なり、多少の傷や汚れ、縫製の甘さなどは「良品」として扱われることが多々あります。 写真と実物が違う: 商品写真が過剰に良く見せられていたり、素材や色が微妙に違ったりすることは日常茶飯事です。 ロットによる品質のばらつき: 最初に買ったサンプルは良かったのに、大量に発注したら品質が落ちていた、というケースも頻繁に起こります。
2. 知的財産権(IP)のリスク
偽物・コピー品が非常に多い: 有名ブランドのロゴやデザインを無断で使用した商品が大量に販売されています。これらを輸入しようとすると、日本の税関で没収・破棄される可能性があります。最悪の場合、商標法違反で摘発されるリスクもあります。 アニメやキャラクターの無断使用: 日本のアニメやキャラクターが無許可で商品化されているケースも多く、これも同様に税関で差し止められます。
3. 法律・規制のリスク
日本の安全基準を満たしていない: 電気用品(PSEマーク): モバイルバッテリーやACアダプターなど、特定の電気用品にはPSEマークがないと日本で販売できません。 食品衛生法: 食器や調理器具、乳幼児が口にする可能性のあるおもちゃなどは、日本の食品衛生法に基づく検査が必要です。 技適マーク: BluetoothやWi-Fiなど電波を発する機器には、技適マークがないと日本国内で使用・販売できません。 これらを満たしていない商品を販売すると、法的に罰せられる可能性があります。
4. サプライヤー(店舗)の信頼性リスク
詐欺や持ち逃げ: 支払い後に商品を発送しない、連絡が取れなくなるといった詐欺のリスクがゼロではありません。(代行業者がいればある程度防げます) 在庫管理がずさん: 在庫ありと表示されていても、実際には在庫がなく、生産に時間がかかると言われることがあります。
5. 代行業者のリスク
悪質な代行業者: 手数料を不当に高く請求したり、検品をまともに行わなかったりする業者も存在します。信頼できる代行業者を見つけることが成功の鍵です。
6. コストに関するリスク
見えている価格が全てではない: 1688.comの表示価格は非常に安いですが、最終的に支払う総額はそれよりずっと高くなります。
結論:1688.comは上級者向けの仕入れ先
まずはAliExpressで海外通販に慣れる。 次にAlibaba.comで、英語を使って少ロットのB2B取引を経験する。 ビジネスが軌道に乗り、リスク管理に自信がついてから、満を持して1688.comと代行業者を使った仕入れに挑戦する。