Windows 11とApple Magic Mouse 1・2、この最高の組み合わせで快適なPCライフを送っている方も多いのではないでしょうか。しかし、この組み合わせには時折「スクロールが突然できなくなる」という悩ましい問題がつきものです。
何を隠そう、私もその一人。昨日まで快適に使えていたMagic Mouseのスクロールが、ある朝突然うんともすんとも言わなくなってしまいました。
再起動、Bluetoothの再ペアリング…考えつく限りの基本的な対処法はすべて試しましたが、結果は変わらず。ポインタは動くものの、肝心のスクロールが全く機能しないのです。
こうなると、原因は十中八九「ドライバー」にあると睨みました。Windows Updateか何かの拍子で、Magic Mouseを動かしていたドライバーに不整合が生じたのでしょう。
通常のデバイスマネージャーからの削除では、古いドライバー情報がシステム内に残ってしまうことがあります。そこで、より強力にドライバーを削除できると評判のツール「DriverStoreExplorer」に最後の望みを託すことにしました。
(※注意:DriverStoreExplorerはシステムの根幹に関わるドライバーを操作する強力なツールです。使用を誤るとシステムが不安定になる可能性もあるため、利用は自己責任でお願いします。)
DriverStoreExplorerを起動し、一覧からApple Wireless Mouseに関連するドライバー(applewirelessmouse.infのような名前のものです)を探し出しました。
「これで根本原因を断ち切れるはず…!」
覚悟を決め、該当ドライバーにチェックを入れて「ドライバーを削除ボタンをクリック!
しかし、次の瞬間、画面に表示されたのは無情にも「エラーが発生しました」というメッセージ。なんと、この強力なツールをもってしても、ドライバーの削除に失敗してしまったのです。
諦めかけたその時、奇跡が…!
「万策尽きたか…」。そう思い、がっくりと肩を落としました。諦め半分で、マウスの電源を入れブラウザ画面を閉じるために何気なくMagic Mouseの表面をなぞった、その時です。
…ん?動く!スクロールが、動くぞ!
信じられないことに、あれだけ頑なに動かなかったスクロール機能が、まるで何事もなかったかのようにスムーズに動作しているではありませんか。
ドライバーの削除には失敗したはず。それなのに、なぜ?
なぜエラーが出たのに治ったのか?勝手な考察
正直なところ、明確な原因は分かりません。しかし、この「怪我の功名」とも言える現象について、いくつか推測を立ててみました。
ドライバーの再読み込み説
DriverStoreExplorerがドライバーを削除しようとアクセスしたことで、Windows側がドライバーの状態を強制的に再スキャン・再読み込みしたのかもしれません。その過程で、破損していたり不整合を起こしていたりした部分がリセットされ、結果的に正常な状態に戻ったのではないでしょうか。
一部コンポーネントのリセット説
削除プロセス自体はエラーで中断されたものの、その処理の過程で、問題を引き起こしていた特定の設定ファイルやレジストリの一部だけがリセットされた可能性です。完全な削除には至らなかったものの、ピンポイントで悪さをしていた部分だけが修正された、という考え方です。
まるで気まぐれな機械の機嫌を損ねてしまい、逆に叩いたら治った、みたいな昭和のテレビのような話ですが、現実に私のMagic Mouseは復活しました。
まとめ
もしあなたがWindows 11でMagic Mouseのスクロール問題に直面し、あらゆる手段を試しても解決しない場合は、今回の私の体験が何かのヒントになるかもしれません。
もちろん、DriverStoreExplorerの使用は慎重に行うべきですが、「ドライバーの削除を試みる」というアクションそのものが、問題を解決に導くトリガーになる可能性がある、ということです。
必ずしも同じ結果になるとは限りませんが、Windowsのドライバーというものは、時として私たちの理解を超える不思議な動きを見せるもの。今回の「エラーからの奇跡の復活劇」は、そんなPCトラブルの奥深さと面白さ(?)を改めて教えてくれた出来事でした。