激安ノートPCを見つけたらBIOSロックだった話 〜最近のBIOSロック解除事情を調べてみた〜
Xのタイムラインを眺めていたら、気になる投稿が流れてきました。
今週の特価品
— ぱちょこんショップ・あきはばら★🦁 (旧・湘南通商) (@PachoComAKIBA) October 12, 2026
dynabook G83/KW
i5-1240P 12C16T 8gb 256gb biosロック
Windows 11 Proインストール済み品
残り3台で終了です pic.twitter.com/6LpcwIVNsk
スペック表だけ見ると普段使いには十分すぎるくらいで、「これは掘り出し物では」と思ったのですが、引っかかったのが「BIOSロック」という一文でした。
まずはCMOSクリアを疑った
BIOS系のトラブルといえば、まず浮かぶのが定番の「CMOSクリア」。マザーボード上の電池を一時的に抜いたり、ジャンパピンをショートさせたりして、BIOSの設定を工場出荷時に戻す方法です。
業者がこんな簡単な方法で解除できるものを、しない訳が無いと思い調べてみました。
「最近のBIOSロック解除」を調べてみた
ここから本格的に調べ始めました。たどり着いたキーワードは主に2つです。
① BIOS Master Password Generator
検索すると、シリアル番号やチャレンジコードからマスターパスワードを生成してくれるという、いかにも便利そうなツール群がヒットします。古い機種では実際に効くケースもあるようですが、ここ数年の機種(Insyde H2O系BIOSなど)だと、この方式自体が通用しないという声が目立ちました。「昔話」として知っておく程度が無難そうです。
BIOS Master Password Generator for Laptops
BIOS Password Backdoors in Laptops
② 外部プログラマでチップを直接読み書きする方法
次に行き着いたのが、CH341AやCH347といったUSBを使う方法です。マザーボード上のBIOSチップ(SOIC8という小さいICチップ)に直接アクセスして、
- 現在のBIOSの中身を吸い出してバックアップ
- パスワード情報が含まれないイメージに書き換える
という発想です。YouTubeにも作業動画がいくつかあり、実際にチップをクリップで挟んで読み書きしている様子が見られました。
ソフト側では「NeoProgrammer」というツールが定番のようです。吸い出し・書き込みを行うためのソフトで、パスワード解析機能そのものは持っていないようです。
調べて分かった「それなりのリスク」
ここまで調べて、「じゃあ道具を揃えれば解決」と思いきや、いくつか気になる壁がありました。
- SOIC8のチップは小さく、クリップで挟む作業自体の難易度が高い。基板の形状によってはクリップが干渉して挟めず、チップを基板から取り外す必要が出てくるケースもあるらしい。
- クリップでの読み書きは失敗しやすいという声も多く、チップを外してソケット式のアダプタに付け替える方が確実、という意見が目立った。
- 1.8V駆動のチップが主流で、電圧を間違えるとチップそのものが壊れるリスクがある。
- 仮にチップの中身を吸い出せても、どの部分にパスワード情報が入っているかは機種ごとに違うため、単純に「上書きすればOK」とは言い切れなさそう。
- 公式サイトで配布されているBIOSアップデートファイルを使う案も浮かんだが、ファイルの形式がそのままチップに焼ける「生データ」とは限らないうえ、通常の更新手順ではパスワード部分だけ保持される仕様になっている可能性があるらしく、一筋縄ではいかなそうだった。
結論:今回は見送り
というわけで、「最近のBIOSロック解除」、ツールや方法はいろいろ見えてきたものの、自分の技術力とリスクを天秤にかけると、今回は手を出さないという判断になりました。知識としては面白かったので、整理する意味も込めてこの記事を書いています。自己責任でお願いします。